河津桜、ですかね。夕刻の隅田川沿いで「おっ」と気付き足を停めてしまいました。なぜか街灯のすぐ下の3本だけが花を咲かせていましたね。
現在もう少し暖かくなる頃のリリースを目指して、THREEHUNDREDのファースト総合カタログを製作中です。しかしこれがなかなか・・・・
“さりとて人生なんて短いぞ。さあしっかり選び、ゆっくり咀嚼し、存分に味わいながら急ごうか”なんて解釈が僕なりの落としどころなんですが、「悠々として急げ」。開高健が生前よく口にした、大好きなコトバです。今日もカタログ制作に没頭していた僕のアタマの中でまるで音楽の様に舞ってました。良いもの作るためにも!
そう言えば昔、銀座7丁目に事務所を持っていた頃。開高健が通っていたフレンチレストランが近くにリニューアルオープンしたのを知って思い立ち、何度か訪れたことがあります。ある日、ホールのいつも笑顔の素敵な女性が「先生がこれ大好きで召し上がってらしたメニューですから」と、僕が偶然注文したムール貝のワイン蒸しを大盛りでサービスしてくれたことがありました。気を良くした僕は、彼の「お気に入りのワイン数本を小脇に抱え訪れると、必ず駆け寄ってくる、シェフのまだ小ちゃな娘の頭をハット掛けにしていた。」との何かで読んだ話を思い出し、訪ねてみたところ「あぁ、それ私です。」照れ臭そうに彼女が頷いたのを見て、ああ持ち込んだワインに合わせていた料理はきっとこれだったんだ。なんて独り言ちてほっこりしたのでした。
Takeshi Yamaji